小学生は筋トレをしてもいいのだろうか? 背が伸びなくなる? 成長を阻害する?
マッチョになる? 筋トレは大人がするもの?
本当のところはどうなのでしょうか。
長年トレーニングの仕事に携わっている私がお答えしたいと思います。
成長期とは
成長期とは身体が著しく発育する期間のことであり、一般的に思春期(11歳前後)の数年間。
その時期は男女差や個人差があり、男子は男性ホルモン(テストステロン)が、女子は女性ホルモン(エストロゲン)が分泌され、身長や身体が急激に大きくなります。
身長が伸びる時期は、骨の両端にある成長軟骨(骨端線)が発達して伸びていきます。しかし、成長軟骨は柔らかく、強い衝撃などを与えると障害を起こすこともあります。
トレーニング内容
1 小学生
筋肉よりも神経系を!
トレーニングよりも遊び。小学生のあいだは遊びを通して体力や筋力を養いましょう。
高学年になると競技によっては、筋トレも有効な場合もありますが、その時はきちんと専門の指導者に教わるようにしましょう。変な癖や、間違った身体の使い方を覚えてしまうのは、のちのちケガのリスクを助長し、パフォーマンスにも影響してしまうこともあります。
トレーニングするのにまだ重りなどは必要ないでしょう。自重でのトレーニングを行いましょう。
2 中学生
成長期で骨が伸びる時期。
まだ自重のトレーニングで十分です。ストレッチは積極的に多めに行いましょう。
この頃は成長痛が出やすい時期でもあります。過度なジャンプの繰り返しによって、膝の症状(オスグッド)が出ることもあります。
症状が出たときは、「我慢できる痛み」、「動けば痛みはなくなる」などと、無理をしてしまうと症状が長引くこともあるので、整形外科などを受診し、コーチ・監督、あるいは将来を考えるのであれば、親御さんともしっかりと話し合いましょう。
3 高校生
筋力・筋肉が徐々に付き始める時期。
自重トレーニングでは物足りなくなってくる場合は、ダンベルやバーベルなどの負荷を加えていきましょう。負荷・回数・頻度は専門家と話し合い、正しいウエイトトレーニングを学んでいくことが大切です。
フォームだけでなく、目的や効果も理解できると、競技にとても有効です。
こちらの書籍に詳しく書かれています。
まとめ
ボディービルダ―であり、大学の先生でもあるバズーカ岡田こと、岡田隆先生の見解では、「そもそも子どもの筋トレで骨端線が損傷するほどの負荷をかけることは難しい」とのこと。筋肉を鍛えすぎると、「成長を阻害する」とか「背が伸びない」という話は、よく聞く「筋肉都市伝説」の一つというご意見のようです。
ただ注意してほしいのは、筋トレを一生懸命やることで、エネルギー不足になることは避けなければいけません。成長期は筋肉と骨、両方の成長にたくさんのエネルギーや栄養が必要です。
運動量に見合った食事をしっかり摂り、睡眠も十分にとり、成長ホルモンを分泌させることが重要となります。
運動・栄養・休養がとても大事だということです。